ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスが発展し、イラストレーターの活躍の場が広がっています。
絵が好きであれば、イラストで稼いでみたいと思う方もいることでしょう。
そこで今回、イラストレーターの副業は、
- サラリーマンでもできるのか?
- どのくらい稼げるのか?
- 日々どんな作業をするのか?
- 始めるために何が必要なのか?
といった疑問を解消するために、実際にイラストレーターを副業として稼ぐ豪徳寺さんに話を聞いてきました。
Contents
イラストの副業は稼げるのか?収入目安を聞いてみた
イラストの副業で月3万円の収入

1案件の報酬額はクライアントによって振り幅があり、安いものでは5,000円、高いもので2万円の案件まであります。
私が請け負う案件を平均したところ、おおよそ1案件で7,000円です。月に大体4案件をこなしてるので月収は約3万円ほどとなります。
ただ注意してもらいたいのは、請け負う案件の難易度やイラストレーターの技量にもよるので誰しもがこれだけ稼げるとは言い切れません。
誰もが稼げるわけではない…知識とスキルが必要
私は学生時代に学んでいたからスムーズに案件を受けられましたが、全くの素人の状態ではクライアントの要望を満たすのは難しいと考えられます。
まずは、基本のデッサンやデザインの勉強をし、ある程度の知識と画力が身についてから案件を受けるのがよいでしょう。
1案件の作業時間は約20時間

私の場合は、1案件につき約20時間で完了できています。4案件をこなし、1ヶ月間の作業時間はおよそ80時間程度です。
土日を完全に休みとした場合、平日月曜日から金曜日に毎日4時間作業すると上記作業が可能となります。
時給換算すると400円以下。絵を描くことが好きだったりやりがいを感じる方が取り組むべき副業と言えます。
イラストレーターの実際の作業工程を聞いてみた
イラストレーターは人によって手順や工程に違いがあります。ですので、ここでは私が実際に行なっている作業工程をご紹介いたします。
作業工程は大きく分けて以下のようになります。
- クライアントの要望をまとめラフを作成
- ラフを元に線を綺麗に仕上げる
- 色を乗せ、影やハイライトなど細部を塗り込む
- 発色を良く見せたり、綺麗に見せる仕上げ
- 納品形式に合わせて書き出し、最終チェック
1.クライアントの要望をまとめラフを作成
先方からどのようなデザインにするかのヒアリングを行い、互いの完成像をすり合わせていきます。
今回は、女の子のイラストで構図はお任せ、女の子は髪を二つ結びで青~白髪、制服っぽいデザインでキラキラした感じでという依頼です。
要望を優先的に盛り込んでいき、こちらにお任せいただいている部分を人物像に合うようにデザインしていきます。

あくまでラフなので綺麗に描くというよりも、どのようなデザインなのかが分かるようにします。そのため、線が重なっていたり、切れていたりしても問題ありません。
2.ラフを元に線を綺麗に仕上げる
ラフがまとまったら、線を綺麗に描いていきます。
切れている線や重なっている線を綺麗な1本線にしていき、ラフの段階でバランスが崩れていたりしたらここで修正します。

ゆっくりと丁寧に線を引くよりは、勢いよくサッと引いた方が線のよれや歪みが少なく綺麗に見えます。
3.色を乗せ、影やハイライトなど細部を塗り込む
線を綺麗に整えたら、色を塗っていきます。
まずはベースとなる色をそれぞれに塗っていきます。肌でしたら肌色1色のみをベタ塗りし、全てのパーツに色を乗せていきます。この工程を下塗りと言います。
下塗りが終わったら、陰影やハイライトなどを書き込んでいきます。肌でしたら凹凸部分に影やハイライトを入れたり、頬に赤みを入れたりして完成イメージに近づけていきます。

余談ですが、塗りには、様々な種類があります。
アニメで見るような色の境目がくっきりとしているアニメ塗り、イラストに使われることが多い色の境目が馴染んでいて、色数が比較的多い水彩塗りなどがあります。
クライアントにより塗りの指定もありますので、いろいろな塗り方を学んでおいた方が幅広い案件に対応できるのでオススメです。
4.発色を良く見せたり、綺麗に見せる仕上げ
下の画像では少し分かりづらいですが、アニメのように色をよりくっきりと見えるようにして、光の当たる箇所にふわっとハイライトを入れています。

また、今回はテイストに合わないと考え使用していませんが、絵全体がうっすら輝くような効果や、部分的に色を削って透き通るような見せ方などもあります。
イラストの方向性に合わせて使用するとよいでしょう。
5.納品形式に合わせて書き出し、最終チェック
最後に、クライアントの指定した形式に合わせて書き出しをして納品します。
主に使用されるのはJPGとPNGという形式です。ざっくりとですが、JPGは背景付き、PNGは背景なしで透過させたい時に使うとよいでしょう。
イラストの副業を始めるために必要なこと
- イラスト作成のスキル
- イラスト作成のツール
- 案件を受けるための媒体
イラスト作成のスキル

イラストの案件を受けるにあたってイラストが描けないと始まりません。もう少し踏み込むと、クライアントの要望するものをイラストで再現できる程度の技術が必要になります。
例えば、制服の女の子を描いて欲しいと依頼された際に、人物の基本的なデッサンができていないとバランスが崩れますし、制服もきちんと構造を理解していないとイラストで表現はできません。
イラスト作成のツール

イラストを始めるにはそのための道具も揃えなければなりません。現在はデジタル方式が主流なのでPCとペンタブを使って作成することが多いです。
スキャナーがあればアナログで描いたイラストもPCに取り込んでクライアントとやり取りすることもできます。
デジタルの場合
PCの性能や価格はピンキリですが、CPUはCorei5以上、RAMは8GB以上だと作業中に処理落ちすることが少ないでしょう。PCの価格は7〜10万円ほどが多いです。
ペンタブは筆圧感知の性能や大きさなどにより1万~3万円ほどのものが多いです。
PCで作業する場合は、様々な効果の使用や線の移動、修正などが容易にできます。しかし、紙に描いているようなザラザラ感が少なく人によっては描きにくいと感じることもあります。
アナログの場合
アナログで描く場合に必要になるスキャナーは1万〜5万円ほどになるようです。また、この場合でもPCは必要です。
アナログで紙に描く場合は、紙とペンの程よい摩擦で線がとても引きやすいです。
しかし、線の修正などは消しゴムなどで丁寧にしないと滲んでしまったりするので、注意が必要です。
案件を受けるための媒体

イラストが描けるようになっても仕事がなければ収入になりません。仕事を受けるための媒体に登録しましょう。
他にも様々なイラストレーターが絵を掲載しているpixivに絵をアップし、それを見てもらい案件をもらうやり方もあります。
Pixivの方法は、ある程度の知名度があるイラストレーターなら案件をいただけるでしょうが、知名度がないと膨大な他のイラストに埋もれてしまい、見てもらえないこともあります。
知名度が低い場合は、ランサーズやクラウドワークスなどのマッチングサイトを利用して、こちらから提案をした方が受注できる確率は高いでしょう。
イラストレーターのメリット
- 好きなことで稼げる
- 空き時間に少しずつ進められる
- 需要がある
好きなことで稼げる
趣味で描いていたイラストが収入になるのですから一石二鳥といえます。
空き時間に少しずつ進められる
今日はラフまで、次の日は線画まで進める、という様に1日で完了する必要がないため、本業がある人にも向いています。
需要がある
趣味で小説を書いている人や同人ゲームを作成している人が募集することも多くなり、企業以外からも需要があるので、受注のチャンスがあります。
イラストレーターのデメリット
- イラスト作成のスキルが必要
- イラスト作成のツールが必要
イラスト作成のスキルが必要
イラストを作成するためには、基本的な画力が必要です。これを取得するための時間や労力がかかりますし、誰しもがいきなり稼げる副業ではありません。
イラスト作成のツールが必要
PCから揃える場合は、ペンタブやスキャナーと合わせて価格は10万円を超えてきます。ある程度の初期投資が必要になります。
まとめ
今回は豪徳寺さんにイラストの副業について聞いてきました。イラストは、スキルとツールがあれば始めることはできます。
副業のためがっつり月10万円以上を稼ぐのは難しいですが、数万円程度でしたら稼ぐことができます。好きなことであるならば、ある程度の手間も苦にはならないでしょう。
イラストを描いたことがないけれどやってみたいと考えている方は、まずは楽しみながら練習を重ね、そこから案件受注につなげられる様にしてみましょう。