副業の知識

サラリーマンの副業収入に税金はいくらかかるの?

シンジ
シンジ
おっ、タケルくん。副業は順調?
タケル
タケル
絶好調ですよ!今年は特に良いです!
シンジ
シンジ
じゃあ税金もたくさん納めなきゃね。
タケル
タケル
あっ、税金のこと考えてなかった。シンジさん、副業の税金ってどのくらいかかるんですか?
シンジ
シンジ
そう来ると思ったよ。今回は「サラリーマンが副業で得た収入にかかる税金はいくらかかるのか」を把握できるようになりましょう。

サラリーマンの副業で発生する税金の計算手順

副業するサラリーマンは急増していますが、副業で得た収入に対してももちろん税金が発生します。最終的に手元にどれだけのお金が残るのかを把握するためにも、税金の額は知っておきたいところです。

副業収入で発生する税金は所得税住民税です。また所得税には、2013年から2037年までの間は東日本大震災の復興費用に充てるための復興特別所得税が加算されます。これらがどれだけかかるかを計算するための手順は以下の通りです。

副業の税金計算手順
  1. 所得の種類を把握する
  2. 課税対象になる所得金額を把握する
  3. 税金額を計算する

なお、副業を事業として行っている場合は所得税と住民税の他にも、消費税、償却資産税、個人事業税が条件によってかかります。例えば、売上額が1000万円を超えると消費税の支払い義務が生じます。本記事では、あくまで本業収入の補填として副業を行っている方を対象とし、これらの説明は省きます。

シンジ
シンジ
それでは副業にかかる税金の手順をひとつひとつ見ていきましょう。

【手順1】所得の種類を把握する

タケル
タケル
所得の種類?それが税金の額に関係するんですか?
シンジ
シンジ
それによって税金の計算が変わるんだよ。

税金は収入金額の全てにかかるわけではなく、経費や控除が差し引かれた分に対して課税されます。所得は10種類に分類されており、それぞれ控除の有無や、その算出方法が異なります。

そのため、税金の金額を知るためには自分の得ている収入が「どの種類の所得なのか」を把握する必要があるのです。具体的には以下の10種類です。

所得の種類
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

このうち副業で関係してくる所得について簡単に説明します。

配当所得

株式の配当投資信託の収益の分配などで得た所得のことをいいます。

不動産所得

マンション、アパート、一軒家などの建物や土地などを購入してその賃貸によって得た収入は、この不動産所得となります。ただし、ホテルを運営して得た収入や売電で得た収入等は後に説明する事業所得や雑所得に分類されます。

事業所得

営んでいる事業で得た所得のことを指します。副業の場合、アフィリエイト転売クラウドソーシングなど様々なものが当てはまりますが、税務署に事業として認められなければ雑所得になります。(事業所得の方が税制面で有利になります。)

給与所得

雇用者から給与または賞与を受け取る場合の所得をいいます。例えば副業がアルバイトパートの場合が当てはまります。

譲渡所得

土地や建物などを他人に譲渡することで得た利益のことを指します。副業に関わるケースとしては、株の売買で得た利益がこの譲渡所得に当たります。

雑所得

他の9種類のいずれにも当てはまらない場合は雑所得となります。事業所得との区分けが難しいのですが、税務署に事業と認められなければ雑所得になります。アフィリエイト転売クラウドソーシングFXなど様々な副業が当てはまります。

シンジ
シンジ
タケルくんの副業はどの種類に当てはまるか分かった?
タケル
タケル
自分は本業が給与所得、副業は転売とアフィリエイトなのでどちらも雑所得ですね!

またここで注意したいのが、行なっている副業が総合課税なのか分離課税なのかということ。通常は本業・副業に関わらず、各種の所得金額を合計した総所得に税率を掛けて税額を求める総合課税が適用されます。

しかし、例外的に他の所得とは分けて、単独で計算して税額を求める分離課税に該当するものがあります。上で譲渡所得に分類された株式売買がそれに当たります。配当所得も総合課税か分離課税かを選択できる制度となっていたり、雑所得の中でもFXは分離課税になっています。

※本記事の税金の計算は、副業が総合課税の場合を対象として説明します。株式、FX、投資信託など分離課税の税額を把握したい方は別記事を用意しますので、そちらをご参考ください。

【手順2】課税対象になる所得金額を把握する

所得の種類がわかったら、1月〜12月までの1年間の所得金額を把握しましょう。副業にかかる税金は本業の所得も関わってきますので、本業と副業のそれぞれの所得金額を把握してそれらを合算(総所得)する必要があります。

先ほども述べたように、収入の全額に対して税金がかかるわけではありません。ここで求めるのは収入から経費や控除を差し引いた所得、つまり課税の対象となる所得(以下課税所得)ですので間違えのないよう注意しましょう。

課税所得の求め方
課税所得=本業の所得+副業の所得−所得控除
シンジ
シンジ
それでは課税所得を計算するため、本業の所得、副業の所得、所得控除をそれぞれ求めていきましょう。

本業の所得

サラリーマンは会社からの給与にて収入を得ますので、種類は給与所得となり以下のように計算されます。

給与所得の求め方
給与所得=収入金額−給与所得控除額

収入金額は社会保険料などを差し引かれる前の金額を指します。ただし通勤手当については非課税の範囲内(月15万円以下)であれば、収入金額には含まれません。

給与所得控除額は収入金額によって変わります。以下のように収入金額に応じた計算を行って求めることになります。

給与の収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%
65万円未満ぼ場合は65万円
180万円超~360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超~660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超~1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円
タケル
タケル
なんか色々と計算がめんどくさいなぁ。
シンジ
シンジ
源泉徴収票を見れば簡単に分かるよ。

上記の計算が面倒な方は年末調整の後にもらえる源泉徴収票を見れば簡単に課税対象の給与所得が分かります。源泉徴収票は年末調整後の12月末〜1月末にもらえます。

源泉徴収票の「支払金額」というのが1年間の収入金額(通勤手当は含まない)で、ここから給与所得控除を差し引いたのが「給与所得控除後の金額」です。この「給与所得控除後の金額」がイコール給与所得となります。

タケル
タケル
これなら一目で給与所得がわかりますね!
シンジ
シンジ
年末まで待てない場合は昨年の源泉徴収票を参考にしてみましょう。

副業の所得

次に副業の所得を把握します。手順1で確認した所得の種類によって算出方法が変わります。行っている副業が当てはまる所得の種類の計算を実施してください。

不動産所得

不動産所得=収入金額−必要経費

必要経費には固定資産税損害保険料減価償却費修繕費などがあります。

事業所得

事業所得=収入金額−必要経費(−青色申告特別控除)

事業所得の場合、青色申告者には10万円もしくは65万円が青色申告特別控除として控除されます。大まかには簿記の方法が簡易簿記だと10万円、複式簿記だと65万円となります。白色申告者にはこの控除はありません。

給与所得

給与所得=収入金額−給与所得控除

本業と同様です。給与所得者にも経費がかかっているという考えから、その代わりとして給与所得控除があります。

雑所得

雑所得=収入金額−必要経費

基本的に他の所得と計算は変わりませんが、不動産所得、事業所得で赤字になった場合はその損失を他の所得と相殺することができるのに対し、雑所得は赤字になっても他の所得と相殺することはできません。

所得控除

本業と副業の所得の合計から、さらに所得控除を差し引いた金額が最終的な課税所得となります。この所得控除は給与所得控除と混同する方が多いですが別物ですので注意してください。

所得控除には基礎控除社会保険料控除扶養控除配偶者控除が含まれます。基礎控除額は一律で決まっていますが、その他は保険の支払金額や家族構成、配偶者の所得によって人それぞれ変わります。これらを合わせた金額が所得控除の額となります。

タケル
タケル
これも算出がめんどくさそうだ。
シンジ
シンジ
これも本業の源泉徴収票を見ればわかるよ。

源泉徴収票には「所得控除の額の合計額」が記載されています。

この所得控除の額の合計額を本業と副業の所得合計から差し引けば課税所得を求めることができます。

【手順3】税金額を計算する

それではいよいよ税金の具体的な計算に入ります。所得税、復興特別所得税、住民税をそれぞれ求めましょう。

所得税(本業+副業)を計算する

所得税の計算は累進課税となっており、所得が多ければ多いほど所得税の金額も増えていきます。つまり、お金をよりたくさん稼いでいる人から多く税金を徴収する仕組みになっています。

課税所得 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超~330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超~695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超~900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超~1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超~4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

所得税は手順2で求めた本業と副業を合わせた課税所得から計算します。課税所得の額に合った税率を掛けて、控除額を引いた金額が所得税額(本業+副業)となります。

本業と副業を合わせた所得税の合計
所得税(本業+副業)=課税所得×税率−控除額

ちなみに、副業の収入から経費を引いた額が20万円以下の場合は確定申告の必要がなく、所得税はかかりません。(副業が給与所得の場合は除く)

シンジ
シンジ
後に説明する住民税は副業所得が20万円以下でもかかるので注意!

復興特別所得税を加算する

復興特別所得税は、2013年〜2037年にかかる税金です。所得税の額に2.1%を掛けて計算されます。所得税額に2.1%をかけた額を加算して算出しましょう。

復興特別所得税の加算方法
復興特別所得税を加算した所得税=所得税(本業+副業)×1.021

副業にかかる所得税を計算する

上記は本業と副業を合わせた所得税(復興特別所得税を含む)の合計です。この所得税の合計額から本業で徴収された所得税を差し引くことで、「副業にかかる所得税」を求めることができます。

副業の所得税の求め方
副業の所得税=所得税(本業+副業)−本業の所得税

本業の所得税は源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄に記載されている金額です。

副業の住民税を計算する

副業にかかる住民税は手順2で出した副業の所得を元に計算します。計算方法は以下の通りです。

副業にかかる住民税の求め方
副業の住民税=副業の所得×10%

実際の住民税の計算には、所得税と同じように様々な控除を差し引いたり、均等割(一律5,000円)が加算されるのですが、これらはすでに本業で支払う住民税で加味されているため、副業のみの住民税を計算する場合は考える必要がありません。

ただし、副業がアルバイトなどの給与所得の場合は本業の所得と合算して計算し直す必要がありますので注意しましょう。

所得税(復興特別所得税含む)・住民税を合算する

最後に上記で求めた所得税(復興特別所得税含む)、住民税を合計して副業にかかる税金の金額を求めましょう。

副業にかかる税金
副業の税金=副業の所得税(復興特別所得税含む)+副業の住民税
タケル
タケル
これでやっと税金額を導き出せました。長かったですね。
シンジ
シンジ
実際の例を見て一緒に計算して見ましょう。

副業にかかる税金の計算例

シンジ
シンジ
それでは、例としてAさんのケースで考えてみましょう。
Aさんの収入状況
  • 本業の源泉徴収票
  • 副業内容:転売
  • 副業収入:150万円
  • 副業経費:100万円
  • その他:副業は事業としては認められないレベル

【手順1】所得の種類を把握する

Aさんの副業は転売ですが、事業としては成り立たないレベルなので、この場合の所得の種類は雑所得となります。

【手順2】課税対象になる所得金額を把握する

課税所得は以下の計算式で求められます。

課税所得=本業の所得+副業の所得−所得控除

まず本業の所得は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の通り464万4,000円

副業の所得は雑所得なので、転売で得た収入150万円から経費100万円を引いて50万円

所得控除は源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」の通り169万4,621円

これらを計算式に当てはめて課税所得の額を計算します。

課税所得=464万4,000円+50万円−169万4,621円=344万9,379円

【手順3】税金額を計算する

所得税の計算

手順2で求めた課税所得と表1から税率と控除額を計算式に当てはめて本業と副業を合わせた所得税の合計額を求めます。

所得税(本業+副業)=344万9,379円×20%−42万7,500円=26万2,375円

復興特別所得税の加算

復興特別所得税は所得税に2.1%を掛けた金額です。所得税に1.021を掛けることで、復興特別所得税を加算した所得税が求められます。

復興特別所得税を加算した所得税=26万2,375円×1.021=26万7,800円
※10の位以下は切り捨て

副業にかかる所得税を計算する

上記の所得税から本業の所得税である源泉徴収票の「源泉徴収税額」を引くことで副業でかかる所得税が求められます。

副業の所得税=26万7,800円−20万1,500円=6万6,300円

住民税の計算

副業の住民税は副業の所得に10%を掛けることで求められます。

副業の住民税=50万円×10%=5万円

副業の税金合計

上で求めた副業の所得税(復興特別所得税含む)、住民税を合計します。

副業の税金合計=6万6,300円+5万円=11万6,300円

これでAさんの副業で発生する税金は11万6,300円ということが分かりました。

シンジ
シンジ
みなさんも自身の場合は税金がいくらになるか計算してみてください。

まとめ

  • 副業収入に対して所得税、住民税、復興特別所得税がかかる
  • 副業の種類によって税金額が変わる
  • 本業の給与も加味する必要がある
  • 所得税の計算は源泉徴収票を参考にする
タケル
タケル
なんとか副業の税金を算出することができました。
シンジ
シンジ
税金の額を知っておかないと、いつの間にか使っちゃって支払うお金がないなんて人もいるからね。
タケル
タケル
危うく自分も全額投資に回しちゃうとこでしたよ。
シンジ
シンジ
税金はしっかり納めないと後々大変だよ。ザックリでも計算しておいて、その分は支払うまで残しておきましょう。