老後資金に関する知識

年金の受給額を正確に把握するための方法とは?

「もらえる年金が減った」とも言われる現在ですが、それでも年金が私たちの老後の生活において、非常に大きな助けとなるものであることは事実です。

この年金がいくらもらえるかによって、老後の過ごし方が大きく左右されます。そのため、年金の受給額は老後に突入する前にできる限り把握しておきたいものです。

今回はこの「老後にもらえる年金の金額を把握する方法」について見ていきましょう。

国民年金と厚生年金が支給されるタイミングと金額

年金は、「国民年金」「厚生年金」に大きく分けられます。まずは「国民年金」の方から見ていきましょう。

国民年金の支給について

国民年金は、基本的には65歳から受け取ることができます。そしてこれは、生きている限りずっと受け取り続けることができるものです。

現在の国民年金の受給額は、以下の式で求められます。

国民年金の受給額計算式

77万9,300円×保険料納付月数÷480

国民年金は、20歳~60歳の480か月間で納めていくのが基本です。滞納や免除がなかった場合、年額77万9,300円の国民年金を受け取ることができます。つまり、毎月6万4,941円です。

ただ、国民年金は「納付免除」「4分の3免除」「2分の1免除」「4分の1免除」の免除処置があります。この免除処置を受けていたかどうかによっても、金額が変わってきます。

補足:国民年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給について

国民年金には、「繰り上げ受給」「繰り下げ受給」の2つがあります。繰り上げ受給を選んだ場合、本来は65歳から支給されるべき国民年金を60歳から受け取ることができます。反対に「繰り下げ受給」の場合は、受給期間を遅らせることができます。たとえば、70歳からにする…などです。

この「繰り上げ受給」と「繰り下げ受給」によって、受け取れる金額も変わってきます。繰り上げ受給を選んだ場合、もらえる金額は30パーセントも減額されます。対して、繰り下げ受給を選んだ場合は、0.7パーセント×繰り下げ月数の金額が、通常受け取る国民年金に加算されます。

このため、60歳から受け取る場合と70歳から受け取る場合では、1年にもらえる金額が2倍以上変わることもあります。ただし繰り下げ受給にすると、当然「寿命までの受給期間」は短くなります。

ハルノブ
ハルノブ
「70歳までは再雇用で働く」という人は繰り下げ受給を選んでもよいでしょう。

厚生年金の支給について

厚生年金の場合、国民年金以上に支給額を求めるのが難しいとされています。なぜなら、厚生年金の場合は「給与・賞与」によっても受け取ることのできる金額が異なってくるからです。

平成15年の3月までは給与のみ(ボーナスを含まない)、それ以降は給与・賞与(ボーナスを含む)に、一定の乗率(平成15年の3月までは7.5、それ以降は5.769)を掛け合わせた数字を利用して算出していきます。

当然のことながら、働いていたときの給与(賞与)が多ければ多いほど、また勤務していた期間が長ければ長いほど、もらえる厚生年金は高くなります。

ハルノブ
ハルノブ
「自営業者よりも会社勤めの人の方が、老後の生活が安定しやすい」と言われるのは厚生年金受給のメリットが大きいためです。

年金の見込み額は、ねんきん定期便・ねんきんネットでわかる

ただ、このように「数字」だけを見ていても「実際に自分がもらえる金額はよく分からない」という人も多いことでしょう。特に、何度か職が変わっていたり、国民年金の免除期間があったり、名前が変わる機会があったりする人の場合はなおさらです。

このようなときに頼りになるのが、「ねんきん定期便」「ねんきんネット」です。これは、自分が支給対象者となったときにもらえる年金の見込み額がわかるもので、日本年金機構が出しています。

ねんきん定期便

ねんきん定期便では以下の内容を確認することができます。

  • 今までの年金加入期間
  • 年金の見込み額
  • 今まで納めてきた保険金額
  • 直近の月別状況

厚生年金保険についても記載がありますが、これに関しては、被保険者が納めた金額分だけが書かれています(実際には、厚生年金は、会社側が半分を負担して納めています)。

ねんきん定期便は、自分のライフスタイルやマネープランを決める、大きな手助けとなるものです。

特に、国民年金にしか加入していなかった人の場合、「国民年金だけでは足りない」と強く意識することになるでしょう。民間の保険に入るなどの工夫をするきっかけにもなりますから、しっかりとチェックしておきましょう。

ねんきんネット

ねんきん定期便とともに活用したいのが、「ねんきんネット」です。これも日本年金機構が取り扱っているサービスであり、非常に便利なものです。

ねんきんネットでは、以下のことがわかります。

  • 今まで納めてきた年金の記録
  • もらえる年金の金額の見込み額
  • 上記であげた「ねんきん定期便」の内容の確認
  • 通知書などの確認

ねんきんネットは、ねんきん定期便をさらに便利にしたものだと考えてよいでしょう。しかもねんきんネットならば、いつでもどこでも、24時間365日、好きなときに内容の確認が可能です。

加給年金・振替加算については別途試算する必要がある

ただし、ねんきんネットにも書かれていないことがあります。それが、「加給年金」「振替加算」です。

加給年金

加給年金とは、その人の収入によって生計を維持している65歳未満の配偶者、もしくは18歳未満の子ども(あるいは1級~2級の障害を持つ20歳未満の子ども)がいる場合に、通常の年金よりも多くの金額がもらえる制度です(届け出が必要)。

厚生年金に入っていた期間が20年以上あることが条件で、65歳になった時点で支給されます。

金額は、対象が配偶者の場合は年額38万9,800円(月額3万2,483円)にもなり、対象が子供であっても第2子までは年額20万円以上になるので、しっかりと確認しておきましょう。

振替加算

振替加算は、加給年金と通じる制度です。加給年金制度を利用していた場合、配偶者が65歳以上になるとこの制度が使えなくなります。

ただその代わり、一定の条件を満たした場合、配偶者の方に「振替加算」として年金が上乗せされることがあります。

これについては、配偶者の生まれた生年月日によって加算額が異なります。振替加算の金額は月額数千円程度ですので、加給年金に比べると少額で生年月日が遅いほど加算額は少なくなります。

年金受給額のまとめ

年金の受給額は、以下の状況などによって大きく異なってきます。

  • 国民年金にだけ入っていたのか、それとも厚生年金にも入っていたのか
  • どれくらいの期間を納めていたのか
  • 国民年金ならば免除期間がないか
  • 厚生年金ならば現役時代の給与(賞与)はいくらくらいだったのか

これを知るための方法として、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」があります。ねんきんネットはねんきん定期便よりもさらに多くの情報を確認できる、非常に便利なものです。

しかしここには、場合によっては年間の加算金額が20万円を超える「加給年金」や「振替加算」は記載されていません。この点には注意が必要です。