定年退職前後の手続き

定年退職前後の必要な手続きとスケジュール【年金編】

「定年退職をしたら、年金でゆっくりと暮らしていく」と考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、実は年金にはさまざま手続きが必要です。また、支払われる年齢なども異なります。ここでは、「年金」に焦点を当ててお話ししていきましょう。

定年前に年金について確認すべきこと

定年前の59歳のときには、「ねんきん定期便」が手元に届きます。これには、これまでの年金の加入期間や、老齢年金がいくら支払われるのか、これまでの年金加入履歴はどうなっているのか、厚生年金をかけていた場合は標準報酬月額などが記されています。

また、国民年金保険料がどれくらい納められていたかも、ここに書かれています。これを見ることで、自分が受け取れる金額などを計算しやすくなります。また、日本年金機構では、将来受け取ることのできる老齢年金の金額を試算できるようになっています。

「定年後に入ってくるお金」を定年前に知ることは、非常に大切です。これによって定年後の自分のライフスタイルを決めていくことができるからです。これらは60歳になってから行うのではなく、50代後半のタイミングで少しずつ準備していくとよいでしょう。

定年の年、退職直後に年金について行うこと

定年退職をする年、退職直後には年金についてどのような手続きが必要なのでしょうか。定年退職と年金の関わり方は、「退職後にどのような生き方をするか」で異なってきます。今回は60~64歳で退職した人について見ていきましょう。

再就職をする場合

再就職(厚生年金保険適用事業所)する場合は、「厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出する必要があります。厚生年金保険被保険者資格取得届は再就職をした日から5日以内に、事業者が郵送で事務センターに届ける必要があります。会社が主導して行ってくれるので、それほど戸惑いは大きくないでしょう。

国民年金に任意加入する場合

「老齢基礎年金を受けたいけれど、受給資格を満たしていない」「受給資格はあるものの、保険料を満額納めていない」という人もいるでしょう。この場合は国民年金に任意加入をすることをおすすめします。65歳までかけ続けることによって、厚く保証が受けられるようになります。

この手続きの場合は、本人が手続きをする必要があります。添付すべき書類は、年金手帳もしくは基礎年金番号通知書です。これを携えて、市役所もしくは役場に行きましょう。

配偶者が第3号被保険者の場合

もう1つ留意してほしいのが、「配偶者の処遇」です。配偶者が第3号被保険者(会社勤めの人や公務員の配偶者であり、第1号被保険者がその保険料を負担していた)の場合は、第1号被保険者が定年になると少し困ったことになります。

定年後また働き始める場合などはともかく、そうでない場合、配偶者の方でも手続きが必要となります。第3号被保険者であったのが第1号被保険者に変わるため、保険料も発生するようになるのです。

その金額は平成30年現在で月に1万6,340円です。ただこの数字は毎年見直しが行われるため、今後はもっと高くなるかもしれません。この金額を、配偶自身が60歳になるまで払い続けなければなりません。定年退職から2週間以内に、市町村の窓口(国民年金課)で手続きを行っていくことになります。

ハルノブ
ハルノブ
このように、一口に「定年後の年金にまつわる手続き」といっても、置かれている状況や配偶者の年齢と立場によってやるべきことは変わってきます。特に「再就職を考えている」という場合はある程度の考慮期間を設ける必要があるでしょう。「終活」という言葉がありますが、定年退職をする前にも準備が必要なわけです。

年金受給開始前に行うこと

ここからは、年金受給開始前(受給前)行うことについて見ていきましょう。年金は、その年齢に達したら自動的にもらえるものではなく、自分で請求手続きをしなければなりません。

年金を受け取る年齢に達した場合、「老齢厚生年金の年金請求書」が送られてきます。少しややこしい書類のように思われますが、記入する部分は意外と少なく、名前や住所、電話番号、口座番号、今までの加入実績などです。

加入実績はやや難問のように思われますが、ねんきん定期便に書かれているので、それを写せばよいでしょう。また、個人番号も聞かれるので、これはしっかり把握しておかなければなりません。

この書類が作成し終えたら、年金手帳や戸籍謄本、住民票などを添付して年金の請求を掛けます。送りつける場所は各々の立場によって異なりますが、多くの場合、市町村の国民年金窓口で相談することになるでしょう。

年金の受給が決定すると、「年金証書・年金決定通知書」が手元に届きます。支払いのタイミングは誕生日によりますが、10月生まれならば11月に支給…というかたちになります。

補足:生まれた年によって年金の受給開始時期が変わる

知っておいてほしいのは、「60歳を定年とした場合、年金が入ってくるまでの時間の収入源を確保する必要がある」ということです。実は、ある年より後に生まれた人の場合、60歳時点では年金を受け取ることができません。

条件付きではあるものの、60歳から年金を受け取ることができるのは、昭和28年の4月1日までに生まれた人だけです(女性の場合は昭和33年の4月1日。以下の「年金をもらえる世代」についての話は、すべて男性の数字を基準としています。女性の場合は、それにプラス5年してください)

昭和28年の4月2日~昭和30年4月1日生まれの人は61歳から報酬比例分の年金を受け取れます。昭和30年4月2日~昭和32年4月1日生まれの人は62歳から……と、生まれるのが2年遅くなるごとに、年金をうけとれる年齢がプラス1歳ずつされていきます。

そして、昭和36年4月2日生まれ以降の人の場合は、一律で65歳以降からの支給となります。つまり2018年5月末日現在、57歳より若い人は65歳以降の支給となるのです。

年金受給開始後に必要な手続き

年金の受給が始まっても、その後に手続きを必要とすることがあります。たとえば「扶養親族等申告書」。これは65歳以上で158万円以上の収入がある人もしくは65歳未満で108万円以上の収入がある人に送られてくるもので、控除対象となる配偶者や親族について問うものです。

毎年10月に届くので必要事項を記入して返送しましょう。きちんと申告しないと源泉徴収額がアップしてしまうので、漏れがないように気を付けたいものです。

定年前後の年金の手続きまとめ

「年金」は老後の生活を支える非常に重要なものです。しかし生まれた年、配偶者の立場、第二の人生のライフスタイルによって、必要な手続きは大きく変わります。その年齢になってから急に慌てることがないようにしたいものです。そのためには、事前に行うべきことや行いたいことをしっかり精査して置く必要があります。