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定年退職前後の必要な手続きとスケジュール【雇用保険編】

長年勤めていた会社を定年退職で辞めたとき、今までかけていた雇用保険はどうなるのか、ということが気になる人もいることでしょう。今回は雇用保険についてお話していきます。なお、ここでは「定年」を「60歳」としています。

定年後にも失業保険は受けられる?受給の条件とタイミング

「雇用保険」とは、労働者の生活を安定させたり、雇用と就職を滞りなく行ったりするためのものです。一定の条件を満たした人は強制的にこれに加入することになります。定年退職まで勤め上げた人であるのならば、ほとんどの人がこれに加入していることでしょう。

なお、雇用保険はあくまで「労働者の生活の安定」のためにあるものです。このため、個人事業主本人などは、この雇用保険に入ることはできません。

雇用保険は、自己都合での退社の場合は退社後3か月経ってから、会社都合の場合は1週間後から支給されます。求職活動を行う必要はありますし、またその人の年齢や就職困難者か否かで支給される期間は異なりますが、90日~360日分の失業保険が支払われることになります。このため、退職時には雇用保険による失業手当を受けることが勧められます。

この「失業手当」は、実は定年退職のときにでも適用されます。つまり、現役時代の転職・退職のときと同じように、失業手当による恩恵を受けることができるわけです。

ただ、失業手当が現役時代と同じように適用されるのと同時に、適用には定年前と同じ下記の条件が課せられることも忘れてはいけません。

  • 定年退職前の2年間で、12か月以上保険を納めていた
  • 就職する意志がある
  • 就職できる健康状態にある
  • 求職活動をしているのに、現在職業に就けていない

「定年退職をしたら、ゆっくり休もう」「定年退職まではなんとか勤め上げられそうだが、実は体を壊している」というような場合は、失業手当の対象とならないことに注意してください。

上では、「失業手当を受給するときには、自己都合か会社都合かによって、支給されるタイミングが異なる」としました。では、定年退職のときはどうなのでしょうか。

自分の年齢によって退職するのだから自己都合のように思えますが、会社が「60歳で定年だよ」と言っているため会社都合のようにも思えます。また、会社によっては65歳まで雇用できる制度をとっているところもあります。

このため、この2つを明確に区別することは非常に難しいといえます。また、自己判断で決められるものでもありません。実はこれは、ハローワークが判断します。

出展:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147331.html

定年前に雇用保険について行うこと

定年後の働き方には、いろいろなやり方があります。新しいところに転職したり、関連企業に赴いたり、自営業に転換したりと、100人がいれば100通りの働き方があるでしょう。

定年後の働き方は定年退職をした後に決めるのではなく、「定年退職まであと5年だ」などのように、ある程度時間的に余裕があるときに決めてしまった方がよいでしょう。働きながらでも行える準備は多くあるからです。

いずれの場合にせよ、退職前6か月間の給与明細はしっかりと保管しておいた方がよいでしょう。失業手当の支給額は、辞める6か月前からの給与の平均額によって求められるからです。

ただ、極端な話ではありますが、「6か月間で考えた場合、1日の支給額が平均10万円だった」という場合、10万円がそのままもらえるわけではありません。60歳以上65歳未満の場合は、支給上限額が7,042円/日と定められているので、それ以上支払われることはありません。

定年後、退職直後に雇用保険について行うこと

定年後に雇用保険による失業保険がもらえることは分かりました。では、どのような手続きをしていけばよいのでしょうか。まず、持ち物を揃えましょう。

失業保険をもらうために用意するもの
  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号を確認できる書類(マイナンバーカードや住民票など)
  • 身元確認書類(運転免許証など。ない場合は、公的な医療保険の保険者証を2種類組み合わせることでクリアできる)
  • 決められたサイズ(3センチ×2.5センチ)の写真2枚
  • 印鑑と通帳、キャシュカードなど。本人名義とする

これらを携えて、ハローワークに行かなければなりません。そしてハローワークに行くと、以下の手順で話が進みます。

失業保険を受給するまでの手順
  1. 求職者として登録する(求職申込書の作成)
  2. 受給資格があることが決定される
  3. 説明会
  4. 求職活動の開始
  5. 1か月に1回、失業認定が行われる
  6. 受給

特に「失業の認定」は重要です。1か月に2回以上の求職活動をしている実績が認められなかった場合、失業手当を受けることができません。また、この失業認定をする日はハローワークによって定められるため、予定などを入れないようにしてください。

ただ、特段の事情(就職活動をしており面接の予定がその日だった・試験の日にかぶった・冠婚葬祭や介護で出られない・急病やけが)があった場合は、事前に申し出ることで救済措置が受けられます。自己判断をせずに、必ずハローワークに申し出るようにしてください

ちなみに、雇用保険には「受給期間延長」という措置もあります。これは、離職している期間に、特別な事情(けがなど)で働くことができなくなった場合、その期間が延長されることを言います。

これには受給期間延長申請などが必要ですから、これもハローワークに相談するようにしてください。受給期間延長申請にしろ失業認定日の変更にしろ、独断で判断をしないようにすることが大切です。

求職申し込みをした場合の注意事項

求職申し込みをした後の流れは上で軽く触れましたが、ここではより細かく見ていきましょう。求職申し込みをした場合、文字通り、「求職活動」を行っていくことになります。

インターネットで自分に合う会社を探したり、掲示板に張り出された情報を参照にしたりといったことをしながら、求職活動に努めてください。「ここを受けたい」というところがあれば、ハローワークの職員に「紹介状」を書いてもらいます。また、面接の日取りなどは、ハローワークが決めてくれるので安心です。

このような求職活動を1か月に2回以上行うことが必要になります。なお、ハローワークが行っているセミナーに参加したり、職業相談を行ったりすることも、「求職活動」として認められます。このような実績がないと失業認定が下りないため、失業手当も支払われません。

失業手当は、「何もしなくてもお金がもらえる制度」ではありません。あくまで、「次のところで働く意志のある人の就職を支援するため」にあるものです。この点をしっかり踏まえて、求職活動を行っていく必要があるでしょう。

定年前後の雇用保険手続きのまとめ

雇用保険は、きちんと納めていれば、定年退職による退職であっても失業手当が振り込まれます。ただ、定年退職による失業が「自己都合」となるか「会社都合」となるかは、判断が分かれます。また、失業手当の1日あたりの支給額は、定年退職6か月前の給料を算定基準額としますが、上限が定められており、最大でも約7,000円程度の支給となります。

また、ハローワークでの求職活動が必要になるのも同じです。1か月に2回以上の求職実績がなければ、失業手当がおりません。特に失業認定日は重要ですから、必ず足を運ぶようにしましょう。また、受給期間延長申請を含め、失業認定日にどうしても足を運べないなどのイレギュラーな事態が起こった場合は、必ずハローワークに相談しましょう。




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